【これの名は】パットマウントをご存知でしょうか?

pat-mount1 これの名は

どうも とろかふ。です。

早速ですが、これを見たことはありますか?

どこかで見たような気がするな

見たことないよという方もおられるかと思います。

これは、パットマウント変圧器と言います。

私も、最近まで名前や何のためにあるのかを知りませんでした(小声)…。
目立たないし、そもそも中が見えないですし。(ごにょごにょ)

建築士のくせに、こんなことも知らないの? ださっ

面目ない…。もっと勉強します。

私がこれの名前を知ったきっかけは、資格学校で建築士の勉強をしている時でした。ご覧頂いている方には、「そんなことも知らないの!?ださっ」と言われないように、この記事で知識を増やして頂ければと思います。

建築士とは? どういう資格なの
建築士とはどういう資格なのか。級の違いや建築士の人数などをご紹介します。建築士の免許証がどんなものかを知りたいと思いませんか?

それでは、そんな「見たことあるような気がするけど、どこにあったっけ?」や、「どういう役目があるの」などについて、詳しくお伝えして参ります。

プロフィール

冒頭で紹介した写真のプロフィールをお伝えします。

お名前

これの名は、パットマウント変圧器と言います。正式には、地上用変圧器と言うようです。

大きさ

一例では、
110cm x 高さ 145cm x 奥行き 45cm

大人の背丈より、少し小さいくらいの大きさです。

参考 : (株) マンホール商会 | 製品紹介

佇まい

pat-mount2

この写真でもわかるように、歩道の端などの地上に設置されています。しかし、地味な色合いや、その無機質な感じが相まってあまり目立ちません。

どのような役割を担っているか

歩道の端などの地上に設置されている訳ですが、皆さんはこれがどのような役割を担っているかご存知でしょうか。

空を広く見せる

空を広く見せるとはどういう事でしょうか。

最近、空を見上げたことはありますか?

「唐突に何だ?」と思われそうですが、そこにはしっかりとした意味があります。
ここのところ、電柱や電線をあまり見かけなくなったとは感じないでしょうか。

electrical-wire
電柱と電線と言えば、このようなイメージを持たれますよね。

実は、東京などの一部地域では、電線がほとんど無い場所があります。そのような場所に、このパットマウントは存在しています。そのパットマウントが、空を広く見せるのに一役買っているということをご存知でしょうか。

なぜ空が広く見えるの?

それは、次に説明するパットマウントが変圧器であることが関係してきます。

変圧器とは?

パットマウントは、地上用変圧器とも呼ばれることをお伝えしました。ですが、そもそも変圧器って何?という方のために、電線と電流の話に移りましょう。

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詳細は、他のサイトに譲りますが、電線には高圧の電流が流れています。どうして高圧の電流が流れているかと言うと、電流のロスを減らすためです。

電流は主に電力会社から電線を通じて送電されますが、長い距離を送電している間に、電流が損失してしまいます。電流を高圧で送電することで、電流のロスを少なくできることから、電線には高圧の電流が流れています。

せっかく発電した電流を損失させるのは、お金も電流ももったいないですよね

しかし、この高圧の電流のままでは、家庭内の照明や家電製品、スマホの充電などの電力として使えません。家庭内で使えるようにするには、100Vとや200Vといった低圧に変換する必要があります。このとき、電圧を高圧から低圧に変換する機器がこそが、この変圧器になります。写真のバケツのようなものが変圧器になります。

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なぜ地上にあるのか

無電柱化

変圧器のことが何となくわかったところで、皆さんは、現東京都知事である小池百合子氏が、無電柱化を推進している事を覚えているでしょうか。

東京都建設局 | 東京の無電柱化

東京では、戦後の都市発展のために、多くの電柱が建てられ電線が張り巡らされました。その結果、都市景観の妨げや、歩行者及び車いす使用者の通行の妨げになっています。災害時に電柱が道路を塞ぐことで、緊急車両の通行の妨げにもなり兼ねません。

さて、無電柱化とパットマウントには、どのような関係があるのでしょうか?先ほど、変圧器の説明の中であったように、高圧の電流を家庭内で使えるように、変圧器によって電圧が下げられます。そして電線には、その変圧器が付けられています。この変圧器は、電線の地中化でどこに行くのでしょうか。もうおわかりですね。

実は、この変圧器が地上型にトランスフォームした姿が、あのパットマウントになります。

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このように、無電柱化により電線が地中に埋められることで、地上の電線が無くなり、空が広く見えることになります。

地上に設置する別の理由

変圧器が電線の上から地上に移ったのは、前で説明した無電柱化以外にも理由が考えられます。変圧器は、もととも地上数mの高い位置にあります。点検する度に、いちいち電柱を登ったり、高所作業車を使うのでは非効率的です。

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無電柱化と共に、パットマウントとして変圧器を地上置きにすることで、電柱を登ったり、高所作業車を使うことなく、効率的に点検ができるというのも一つの理由でしょう。地上にあれば、万が一の故障時も、交換作業が容易に行えます。

電線が無いことで

無電柱化により、電線が地中に埋められると、上でお伝えした事以外にも良いことがありそうです。それは、電線が無くなることで、鳥糞アタックを喰らわずに済むことです。地域によっては、鳥による騒音や糞害などの被害がなくなるかもしれません。正月名物の凧揚げも、電線に引っかかる心配がなくなることでしょう。

ちなみに、こんな電線を見つけました。電線が剣山のように、とげとげしたもので覆われています。これは鳥除けなんでしょうかね。

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まとめ

  • パットマウントは、電線の変圧器が地上型にトランスフォームしたもの
  • 空が広く見えるのは、パットマウントが一役買っているから
  • 地味ではあるが、重要な役割をもつ「縁の下の力持ち」

おわりに

各地のパットマウントが、どんな佇まいなのかを見てみたいところです。京都などの周囲との景観に配慮が必要な地域では、おしゃれな奴も居るのでしょうかね。新しいパットマウントを見つけ次第、ご紹介して行きたいと思います。

最後までご覧頂き、ありがとうございます。